新年度、なぜ企業資産リスク分散化ダイバーシフィケーションか?



令和4年4月1日
セリングビジョン株式会社
代表取締役 岡部秀也

 本日から新年度に突入した。花見の季節ではあるものの、コロナやウクライナ情勢も緊迫化し落ち着かない年度始めではないだろうか。企業にとっては年度末決算や新入社員の入社や長年勤務貢献され定年を迎えた退職者や人事異動など新陳代謝の節目であろう。
 今日から成人年齢が20才から18歳になり、若い世代の社会参画も見込まれる。
 一方では国内では6年ぶりの円安とモノ不足で輸入品を中心に物価は広く値上がりし、世界的には緊迫化するウクライナ情勢やアジア周辺含め、ロシアなどのカントリーリスクも顕在化しつつある。新型コロナの感染リバウンドも景気に悪影響をもらたす。
 物価の上昇の要因は、複合的だ。2割の円安(100→120円/ドル)、原油、天然ガス、ニッケルなどの供給力の減少を引き金の需給逼迫、船舶・航空輸送のサプライチェーンのネック、半導体不足などであろう。インフレ2%上昇目標は、日本の所得移転を招く外的な「悪いインフレ」で、皮肉にも達成されよう。
 とくにエネルギー資源を90%以上も海外依存の日本は、輸入資源により、発電量80%を占める火力発電所で経済社会は維持されている。まさに今、火力発電所が、我が国の経済インフラの命綱である。純国産エネルギーの原子力発電所が再稼働できないと、エネルギーの安全保障は、危機的であることは誰でもわかる。安全、安心を与える原子力発電の社会的対策により早期稼働が急がれる。国際公約のカーボン対策も、待った無しだけに原子力が、日本のスタグフレーション防止と温暖化対策のカギを握っている。
 ソーラー、風力と蓄電池の利用に加えて波力などの開発にもチャレンジすべきだろう。いずれにしても、再生可能エネルギーは水力を除き不安定で規模が小さく、コストが高く、インフレ上昇につながっているため、短期的には過度な期待はできない。
 これから電気、ガス、食料品、半導体、パソコンなど円安とドル建て輸入物価の上昇による価格上昇は避けられない。
 一部輸出産業はブラスでも内需産業は逆風の円安などの対応に政府の大胆なマクロ経済政策が求められる。

 では、企業の景況感が悪化する、この厳しいミクロ経済流動化のなかでBCM(事業継続マネジメント)ソリューションは何か?当面は保守的にならざるを得ないが下記を挙げたい。一言で企業資産リスクのダイバーシフィケーション(リスク分散)の実践である。

1.金融資産は分散化
 円建て資産だけを持っているのは危険である。円資産をUSドル、EURO、豪ドル等やゴールド等に分散化して円安の影響を、企業は回避すべき時ではないか。金融資産は企業自身がリスクを自ら考えて「保険政策」を講じるべきだ。

2.実物資産は国内中心に海外分散
 国内外不動産などの資産を売却してカントリーリスクの低い国に不動産などの実物資産を購入しリスク分散シフトも検討したらどうか。グローバル経済のなかで一部でも安全資産を海外に保持するのは当たり前の時代であろう。

3.ビジネスモデルは集中化
 これまでの多様なビジネスフィールドのなかで将来確実に成長するビジネスを見通し選択して、他のビジネスは譲渡するか、諦める。これがなかなか難しいが、当社のような客観的なアドバイスができるコンサルティング会社にぜひ相談してしてほしい。捨てるべきビジネスと集中すべきビジネスの選択は得意である。

4.キャッシュポジションは手厚く
 流動性が高いキャッシュポジションを高く設定するのは、企業財務の健全性のカギである。黒字でもキャッシュが無くなり支払いが滞り、倒産するケースも増えている。キャッシュフローをよくチェックすることが、肝心ではないか。

5.戦争、紛争のカントリーリスクは回避
 夢を描いて進出した国々でも政治リーダーが変わったり、戦乱に巻き込まれてしまう国が少なくない。外資企業への進出国の政策や規制も突然変わることもある。場合によっては、資産凍結、事業所閉鎖を余儀なくされるケースもある。早めの対策が必要だ。




以 上


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